龍の女神となるべき姫【上】
ま、俺も楽しんでたし。
「“暇だから”って言ってあっさり信じられたのは、複雑だけどな」
俺だって、それなりに理事長生活を楽しんでるっての。
亜美の中で、俺はどんだけぐうたらな奴なんだよ。
今までの会話でわかる通り。
俺たち3人は、はじめから仕組んでた。
それも、亜美を学校に行かすため。
……いや、違うな。
人と触れあって、心からの笑顔を取り戻してもらうため、だ。
「亜美は毎日笑ってくれるわね」
突然、義姉さんがしゅんとした顔でそう言った。