龍の女神となるべき姫【上】
「僕は副総長の栗生智[クリュウ サトシ]です。
以後、お見知りおきを」
悠基に智、か。
『私は成瀬亜美。こちらこそよろしく』
総長だろうが何だろうが、絶対気なんか遣わないから!!
……という気持ちを込めて、真っ直ぐな視線を向ける。
総長、いや悠基にはそれが伝わったのか、ふっと口角を上げた。
「ちょちょちょい、待てや。
俺が紹介って言ったときは止めたくせに、何勝手にさっさとやってんねん」
「秋都はちゃんとタイミングを見計らっとかないと。
智が秋都を待ってくれるわけがないじゃん」