あたし、脱ぎます!《完》

屋上からの景色




「それ、
超ウケるんだけど!」



今日は
従姉の愛美ちゃんの家に

泊まることになっていた。


チューハイを飲みながら、

頬を
ピンクに染める
愛美ちゃんが笑い転げる。



「笑い事じゃないよ。

あたし、
嫌われるかもしれない」



「嫌いにはならないと思うけど、
男心としては
複雑かもね」



胡坐をかきながら、
タバコに火をつける
愛美ちゃんは

あたしをチラッと見ると、
また笑い出した。



確かに
笑われても仕方ない。


淳平くんが
森下くるみの載った雑誌を立ち読みしている姿を見て、

勝手に
グラビアアイドルが好きだ!!と勘違いをして、

自分が
グラビアイドルになる決意をしちゃったのだから……。


一途な恋は、
運命までも
左右させてしまったのだ。
(カッコ良い言い方をしたら)



喉を鳴らしながら
チューハイを飲む愛美ちゃんは、

金色に近い髪を
一本で縛り、

タバコを咥える姿は
昔から変わっていない。


従姉じゃなかったら近寄り難い。

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