あたし、脱ぎます!《完》

幼なじみの想い




駅の改札口を抜け、

ホームで
2列に並び電車を待つ。



「ただいま電車が到着します」



駅内アナウンスが
流れると、

涼しげな風を共に
電車が入ってきた。


髪が風になびき、
手で押さえていると

「久しぶり」と声がした。



振り返ると、
「よ!」と右手を上げ、

笑っている雄介がいた。



雄介と会うのは、

あの……
キス以来、

一ヶ月ぶりだ。



「久しぶり。元気だった?」



「何とかな。

夏休み中も
3回ライブやったし、

けっこう充実してたよ」



何事も
なかったように話す
雄介に胸を撫で下ろし、

満員電車に乗り込んだ。



「ライブ見に行けなくてごめんね。

山梨には
一回も帰って来ることが出来なくて」



「そっか。

萌香の載った雑誌は
ほとんど見ているぞ。

母さんも喜んでたよ」



「ホント?
でも恥ずかしいな……」



「……それにしても
お前、

……何だか
元気ないな?

疲れてるのか?」



雄介に気付かれた。


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