あたし、脱ぎます!《完》



撮影が終わった後、

あたしは
真鍋さんの車の中で

ケータイを開いた。



……やはり来ていない。



淳平くんからの
連絡はなかった。


想定内ことなのに、
肩を落としてしまう。


そして
メールが来ていないか

センター問い合わせをする
往生際の悪いあたし。



車内は沈黙が続き、
車は以前、

愛美ちゃんと
三人で行ったイタリアンレストランに入った。


ドアの鐘が
カランと音を立てると、

「いらっしゃいませ」と
可愛らしいオバサンが出迎えてくれた。


あたしたちは
一番奥の席に案内され、

メニュー表を受け取った。



「萌香ちゃん?
今日も海鮮パスタにするかい?」



「はい。
じゃ前と同じものにします」



注文を聞きにきたオバサンに
海鮮パスタを2つ頼み、

あたしは水に口をつける。



「今日の撮影はどうだった?」



真鍋さんは
いつもの口ぶりで、

あたしに尋ねた。



「特に普通でした」と
答えるあたしに

「そっか」と腕を組んだ。



今日は
動画配信サイトの撮影で、

セーラー服から
ウエイトレス、
そして
水着とたくさんの衣装で
撮影が行われた。


疲れているのは
事実で、

顔に笑みは消えていた。

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