あたし、脱ぎます!《完》
「萌香ちゃん?
プロ意識って分かる?」
突然の質問に、
首を傾げるが、
意味は何となく分かる。
「今の萌香ちゃんには、
プロ意識が欠けていると思うんだ」
身を乗り出し、
テーブルに肘をついた真鍋さんが
険しい顔で、
あたしを見ていた。
「……はい」
反抗が出来ない
あたしには、
心当たりがあった。
先週の雑誌の撮影中、
ケータイばかり気にして、
カメラマンのチャックが入るたびに、
センターの問い合わせをしていた。
土日は
東京に居ることは
淳平くんも分かっている。
もしかしたら
連絡が来るかも……と
期待していたのだ。
社長の真鍋さんから
指摘されても仕方なかった。
「萌香ちゃんが
今、仕事に身が入らないのは
淳平くんのことが原因だね。
でも仕事は仕事、
プライベートと
分けてもらわないと。
皆、
遊んでいるわけじゃないんだから」
返す言葉が見つからない。
だって、
正論なことを言われているし、
自覚もある。
別れてから
時間が経つに連れ、
悲しみも大きくなっている。
淳平くんの存在が
大きかった証拠なのだ。
毎日、
元気をもらい、
仕事に反映していた。
淳平くんの笑顔が
あたしのパワーになっていたんだ。