あたし、脱ぎます!《完》



新しい教室に入ると、

顔だけは
知っているけど

名前の知らない人がたくさん居た。



出席番号順の席に
腰を下ろすと、

となりで話す男子が
声をかけてきた。



「おお!!
永井さんじゃん!宜しく!!」



親しげというか、

軽々しく話しかける男の子。


学ランのボタンを外し、

中から
シルバーのネックレスを光らせる。



「あ、はい。

ヨロシク……」



とりあえず
第一印象は良くしておかないと……。



「俺、池田浩二。
宜しく!!

浩二って呼んでよ!」



「うん……。浩二くんね」



ニヤついた目は、

決して
好意的なものではなかった。


浩二の前の席に腰を下ろしている男の子も

似たような表情で話しかける。

< 45 / 383 >

この作品をシェア

pagetop