あたし、脱ぎます!《完》



あたしたちは
来た道をゆっくりと戻り、

駅前のマックに入った。


「いらっしゃいませ」という明るいお姉さんの声にも

テンションの低い声で注文してしまう。


窓際の席に腰を下ろし、

二人して
「あぁ~あ」と

溜め息に近い声を出した。



「理くん、
ちゃんと学校に行っているのかな?」



コーラの炭酸で
すっきりした口から

何気なく出た疑問だった。


すると
佳代は口を濁すように、

「それがさぁ。
萌香には言ってなかったんだけど」と、

うつむいたまま、
コーラを口にした。


東京の女子高生の声が
店内に響く中、

佳代の言葉を待った。



「実はね。
兄貴、全然学校に行ってないみたいなの。

学校から連絡が来たんだ。

だから
私に様子を見て来て欲しいって……」



「そうだったんだ。

でも何で
学校に行かないんだろう?」



佳代に訊いても、
「知らない」と

答えるだけだった。



その後、
30分が過ぎた頃、

理くんが
「ごめんごめん」とやってきた。


オシャレな服を着た理くんは、

先ほどとは別人だった。



< 62 / 383 >

この作品をシェア

pagetop