あたし、脱ぎます!《完》



「うん、分かった!

俺もするよ」



淳平くんは
小さく微笑み、

そのまま階段を下りて行った。


下を覗くと、
チーム内で

今日の反省が始めるようだった。



「俺たちも行こうか??」と、
理くんは両腕を上げ、

大きく伸びをする。



「うん。私、渋谷に行ってみたいし」



佳代の目的は、
渋谷で買い物をすることだった。


ギャル嫌いな佳代が
109に行ってみたいと言うのだ。


今度は
あたしが付き合ってあげなくちゃね。



「俺、
これからバイトだけど、

二人で大丈夫か?」



「大丈夫だから。

お兄ちゃんが一緒だと、ゆっくり選べないし」



「何、
生意気なこと言ってるんだよ!

誘拐されるかもしれないぞ!」



「されるわけないでしょ!

子供じゃないんだから!」



佳代は理くんの肩を

思いっきり
拳でパンチすると、

理くんの
「痛てぇ!!」と言う声が

体育館中に響いた。


コートで反省会をしている
淳平くんやそのメンバーたちが

一斉に
こちらを向いた。


あたしたちは
申し訳無さそうに

小さくお辞儀をして、

その場を退散した。



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