1コ下のキミ


コイツが今の言葉をどう受け止めたのか、コイツが何を言おうとしてるのかは、正直全くわからない。

でも、コイツを取り巻く空気が、変わった。


明らかに、気にしている。


「あたしは空気で、誰にも見えてなくて、誰にも存在を認識されず、それでいて誰もが認識してるの」


……何が言いたい?


「周りが噂をしてるとね、広まれば広まるほど、簡単にあたしの耳にも入ってくる」

「……あぁ」

「誰かと誰かの『会話』が、あたしに情報として入ってくる。それを誰も気にしないし、文句一つも言わない。あたしも『会話』に参加しない」


……そうか。

無視されてるとか、恐れられてる、だけじゃない。


コイツは、日常会話すらしないんだ。

クラスメートとも、話さない。

俺が相手をしなければ、声も出せないのかもしれない。
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