女番長
「じゃあ、HRを終わる。」
「起立!礼!」
あたしはHRが終わったとたん教室を飛び出して、屋上に行った。
「…うぅっ……っ…。」
「真希!!」
加奈も後を追ってきてたのか、屋上にきた。
「真希…。」
「何でなん?何で……っ…。」
「真希…、泣いていいよ。」
そう言って、加奈はあたしを抱きしめてくれた。
ガチャッ
突然屋上の扉が開いた。
「あっ、誰かきた。」
「もう!龍ってば、転校してくるなら言ってくれたらいいのに。」
「悪い悪い。いろいろあってさ!」
そう言って出てきたのは、龍と………
美紀ちゃんやった…。
二人の手はぎゅっと握られてて、まさに…
恋人同士のようやった。
「あれ、滝沢と隣のクラスの…。」
加奈も気づいたみたいで、あたしを心配そうに見てた。
龍と、一瞬目が合った。
「加奈、帰ろっか。」
「えっ、もう大丈夫なん?」
「何言ってんの!もとから大丈夫やって!」
あたしは加奈の手を握って、わざと明るく振る舞って教室に戻った。
「真希、本間に大丈夫なん?」
「…けないやん。」
「えっ?」
「大丈夫なわけないやん。」
そう言ったあたしの目は、絶対うるうるしてたと思う。
あたし自身、涙で前が見えへんかった。