女番長


あたしは一瞬、固まった。

加奈があたしの様子に気がついて、「どうしたん?」って聞いてきた。


「ううん!何でもない!」


あたしは慌ててごまかした。

何でかって?

だって、加奈は巻き込みたくなかったから。


こう見えて、あたしと加奈は腐れ縁の仲…

幼稚園の時からの付き合いや。


まぁいわゆる、"幼なじみ"って呼ばれるもん?



そんな大事な親友を、変な事に巻き込みたくなかった。


「そう?」

加奈はまた、前に向き直った。


それから午前の授業を終えて、昼休みになった時…

また携帯が震え出した。


今度はメールじゃなくて、電話やった。



さっきと同じ、ディスプレイには知らん番号が映ってた。



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