女番長
でも………
今あたしの目の前には、人通りが少ない家が並んだ道…
帰るには、絶対通らなあかん…。
あたしは意を決して、一歩、また一歩と歩いていく。
「はぁ…。」
やっと道を抜け、もうすぐ基地が見えてきそうになったところで…
キーッ
バタンッ
「きゃっ!ちょっと!!離して!!」
バタンッ
あたしは見たこともない車に乗せられて…
そこであたしの意識は途絶えた。
多分、気絶させられてたんやと思う。
気づいたら、知らん部屋にいた。
「こいつどうするんですか?」
「どうするって、決まってんだろ。あいつの頼みなんだからよ。」
「わかりました。」
「頼んだぜ。」
一人、部屋の外へ出ていった。
「それにしても、こいつ美人やし、スタイルもいいし、完璧やな。」
「そうやな。」
「うん。」
今この部屋には、男が三人くらいいるんやろう。
一人男が出ていってから、三人の声しか聞こえへん。
それより……
今あたし、どこにいんの?
今から、何されんの?
急に怖くなって、あたしは閉じてた目を、少し開けた。