一男三女物語
誘拐
真紀のキス事件から1週間が過ぎた。真紀は相変わらず谷崎に夢中である。

早紀は何度か田辺刑事に電話をかけてデートを申し込んだが、忙しいから〜そう言われて断られ落ち込んでいる。

亜紀はまだ、空巣のことを考えていろいろ推理したりしていた。

宗一郎は相変わらずテレビゲームに夢中である。

「真紀ねぇちゃん?パパからメール来て明後日、帰って来るらしいよ?」

亜紀がバタバタしなから言ってきた。

「いきなりどうしたの?ママも帰るの?」

「どうもバパだけみたい?2、3日滞在するとだけ書いてあるけど?」

「早紀!宗一郎!バパが明後日帰るらしいよ!」

「やった〜ゲームソフトいっぱい買ってもらおう。」

「久しぶりね〜親の顔見るのも!私、洋服買ってもらおう!」

「あんたたち!そんなことばっかり言わないで、パパも慣れない海外生活で疲れているんだから!」

さすが真紀は長女で、大人である。

「私、何、買ってもらおうかな?」

真紀はボソっと言った。

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