秘密の花園



「和馬くん!!いくらなんでも女の子にそんな言い方ないでしょ!!」


サタンは突如現れた狐顔の美人にスパーンと気持ちいいくらいに頭をはたかれた。


ひぃ!!なんてことを!!


血を見ると覚悟して目を瞑る。


しかし、いつまで経っても“こと”が起こる気配がない。


薄目を開けると、悪人面のサタンが諦めたようにため息をついていた。


「いてーよ」


「だまらっしゃい。大事なモデルに失礼なくちきいた天罰よ、天罰!!」


もう女神というより女王様?


呆気にとられている私に彼女は底抜けに明るく言う。


「こんにちは!!この店で美容師やってます、東海林あずなっていいます!!よろしくね!!」


私は本能的にさとった。


まさしくあなたは私の希望の星!!


「アネゴと呼ばせてください!!」


「あら?いいわよ」


さすがサタンを手玉にとる御方!!懐が深い。




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