秘密の花園




「可愛いくなったね。見違えたよ」


私の眠りを覚まさせたのは愛しいあの人の声だった。


「水瀬さん…?」


期待に胸を膨らませて、そっと目を開く。


ああ。


やっぱりそうだわ…。


彼はいつものように爽やかな笑顔で私の正面に立っていた。


ハッと気がついて自分の体を見てみる。


ブルーのドレスに宝石のついた銀のティアラ。白い手袋とガラスの靴。


歓喜のあまり、ガッツポーズしてしまった。


私達…ついにやったのね!!


サタンを倒して平和を取り戻すことが出来たのね!!


この姿こそ私の本当の姿。


世を忍ぶ仮の姿とはいえ、あんな格好でいたことが忌々しい。


「良かったら僕とお付き合いしてください」


「そんなあ…。私なんかでよかったらこちらこそ…」


私達は駆け出した。色とりどりの花が咲き誇る花園に向かって。


うふふ。あはは。


うふふ…。




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