秘密の花園




「やっぱり似合ってるね」


あずなさんは私の毛先をくるくると指で触れる。


「そうですか?」


「そうだよ。さすが和馬くんだね。あっそうだ!!写真あるよ。記念にどうぞ」


あずなさんはそう言ってポケットから取り出したポラロイドの写真を手渡した。


「これ…私…?」


「よく撮れてるでしょ?」


むぅー。マジかよ…。


写真にはオシャレ星人のように着飾っておっかなびっくりしている自分の姿。


改めて突きつけられてもどうしても同じ人物には思えない。


これはちょっと本格的にサタンに礼を言わなくてはならないかもしれない。


少なくともサタンは水瀬さんの前に出ても恥ずかしくないような格好にしてくれたのだから。


ホントのところちょっと疑っていたのだ。


だって私はオタクだし。顔は平凡そのもの。秀でたところなど顕微鏡を覗いても見当たらないくらいの女なのだ。


これほど自分のことを信用していない女はいないだろう。


そんな私ですら目を疑うほどの大変身。


サタンってやっぱり大物なのか?


さっぱりわからん。



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