秘密の花園



「何言ってんの!!美容院の人から何回も“具合はどうですか”って電話着てたのよ。お礼もかねて行ってらっしゃい!!」


おかんは爽やかかつ胡散臭い笑みを浮かべながら私に紙袋を押しつけてくる。


鬼かあんたは!!


「いやだーっ!!後生だからそれだけは許してぇ!!」


いやいやと首を振りながらおかんの脚にしがみつく。


もう二度とあいつに会いたくないし、あの美容院には行きたくない!!


そんなことするくらいならご飯作ってもらえなくて餓死したほうがまし!!


そんな私の思考を見透かしたかのようにおかんは告げた。


「行かないとあんたの部屋のゲーム根絶やしにするからね」


ほ…本気だ。


なんせおかんはかつて成績低下にガチギレして花園を消滅させかけた女…。


餓死と花園を天秤にかけたら花園の方が重いに決まってるじゃんかぁ…。


「行くのよ?」


再度おかんに念押しされ、私はその場で化石と化したのだった。





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