秘密の花園





「卑屈になるのは勝手だけど、振られたことも人のせいにするのはやめなさい」


そう言われたその瞬間、カアッと顔が真っ赤に染まった。


「まみちぃのバカ!!」


「理香!!」


「もういい!!まみちぃには頼まないから!!」


私はすっと立ち上がって、そのまままみちぃの家から出て行った。


ズンズンと早足で歩きながら、また卑屈の穴の中に入り込む。


どうせまみちぃにはわかんないよ。


いつだって男の人に囲まれて、自分に絶対の自信があってさ…。


それに比べて私はどうしようもなく小さい人間だ。


自分の痛みに真正面から向き合えないほど臆病なのだ。


まみちぃの言葉が痛いくらい胸に刺さる。


右腕に抱えた紙袋がずしりと重くなったような気がした。


「どうしようかな…。これ…」


無意識に出たため息のせいで幸せがひとつ飛んでいってしまった。




< 150 / 289 >

この作品をシェア

pagetop