秘密の花園
「卑屈になるのは勝手だけど、振られたことも人のせいにするのはやめなさい」
そう言われたその瞬間、カアッと顔が真っ赤に染まった。
「まみちぃのバカ!!」
「理香!!」
「もういい!!まみちぃには頼まないから!!」
私はすっと立ち上がって、そのまままみちぃの家から出て行った。
ズンズンと早足で歩きながら、また卑屈の穴の中に入り込む。
どうせまみちぃにはわかんないよ。
いつだって男の人に囲まれて、自分に絶対の自信があってさ…。
それに比べて私はどうしようもなく小さい人間だ。
自分の痛みに真正面から向き合えないほど臆病なのだ。
まみちぃの言葉が痛いくらい胸に刺さる。
右腕に抱えた紙袋がずしりと重くなったような気がした。
「どうしようかな…。これ…」
無意識に出たため息のせいで幸せがひとつ飛んでいってしまった。