秘密の花園
「お疲れ様ー。今日はごめんね。結局修理だけやらせちゃって」
「いいえー。お疲れ様でしたー」
店先から見送ってくれる店長に挨拶して、帰路につく。
歩きながら思わず、携帯を開く。
ここ数日電源も入れてなくて、すっかり存在を忘れ去られていた時代の寵児くん。
久々に電源を入れると、溜まったメールと着信で即座に震える。
着信は7件。
まみちぃが2件。唯香が1件。そして、サタンが4件。
メールは5通。
メルマガが3件。まみちぃが1件。サタンが1件。
サタンから着ていたメールは絵文字も顔文字もなく、シンプルにこう書いてあった。
“悪かった。”
いきなりの不意打ちで面食らう。
なんてあいつらしくないんだろう。
「なんだよ…。バーカ…」
謝られても困るんだから…。
携帯をしまおうとすると、昼間まみちぃに突っ返された紙袋がショルダーバッグの中から姿を覗かせる。
本当に。ホントーに。ホントーに!!仕方なくだけど!!
私は明日、やつにこの素敵アイテム達を返すことを心に決めたのだった。