秘密の花園
ええっと…。地図によればここだよね。
地図と実際の建物を見比べてホッと息をつく。
奴の住処は意外と普通の賃貸アパートだった。
私はサタンの名前のかかれた表札を確認すると、魔王の城には似つかわしくないインターフォンをピンポーンと押した。
しかし、返ってくるのは沈黙だった。
で…でない。
これはあれか?
単純に気づいていないだけなのか?それとも留守なのか?
念のため何度もピンポンピンポンと押し続けてみる。
…けれど人が出てくる様子はない。
おっしっ!!
私は家主のいない部屋の前でガッツポーズした。
うへへ。いないなら仕方ないもんね~。
ポストにいれて帰ろうっと!
私は脳天気に軽く鼻歌を歌いながら持ってきた紙袋をリュックから取り出した。
すると、
「だあっ!!うっせーよ!!今、出るっつーの!!」
何故か、上半身裸のサタンが玄関扉から飛び出してきたのだった。