秘密の花園


「……本当に?」


疑り深くなるのは無理もない。


だって、勇者と魔王は決して相容れることのない存在だ。


また、騙されるのではないかとサタンの表情を窺う。


「その代わり、俺の言うことには絶対服従だからな」


「ふ、服従?」


それってどういう意味だ?裸踊りでもしたら良いのか?


「それで、どうする?」


サタンが無慈悲に選択を迫ってくる。私は思わず口を押さえた。


「何か気持ち悪い……」


なんだろう。さっきから胃がムカムカして仕方ない。


「うわ、待て!!」


「おえーーーーーーーーー!!」


私はサタンが止めるのも聞かず、道端で嘔吐してしまったのだった。


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