秘密の花園


「痛い!!」


私は頭を押さえて悶絶した。マンガのように星がチラつく痛さである。


「路上で吐いて、俺の家で暴れて、廊下に水までぶちまけたお前を介抱してやった俺に礼ぐらい言いやがれ」


ゲシゲシと足蹴にされ、よろよろと両手を床につく。


「あ、ありがとうございました……」


私は仁王立ちの魔王の前で正座をして、深々と頭を下げた。


「言っておくが上下の下着も揃ってないような女に間違っても手なんか出さねーからな」


「ごもっともでございます……」


壮絶な捨て台詞を吐いた魔王様に、激しく同意する。


貞操の危機はどうやら誤解だったらしい。


水で濡れた服を洗濯するために脱がされただけのようだ。


よかった、よかったとホッと胸を撫で下ろす。


ありがとう。1000円のおパンツ。君のおかげで助かったよ。


また、魔王の住処を探索する機会があったら君を装備しておくね!!


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