秘密の花園


「で、さっきからお前の携帯鳴りっぱなしだけど良いのか?」


……魔王様。それをもっと早く言って欲しかった。


ホッと胸を撫で下ろしていたのも束の間、私は青ざめながらリュックから携帯を取り出した。


着信履歴は全部ママンで埋まっている。


「か、帰らなきゃ!!」


無断外泊はさすがにまずい。まず過ぎるぞ!!


「お前の服、まだ乾いてねーぞ」


「もらった服着て帰るからいい!!」


私は魔王からもらったオシャレグッズ達を全速力で身に着けると、挨拶もそこそこに脇目も振らず走り出した。


神シュチュエーションその2

“気になる彼と朝チュン”

に浸る余裕もなく、私は魔王よりも恐ろしいママンへの言い訳を必死になって考えるのだった。


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