秘密の花園
靴を履いて服を元あった位置に戻そうとすると、脇に据えられていた椅子に座って腕組みをしていたサタンと目が合う。
「逃げるのか?」
……逃げるとはなんだ、人聞きの悪い。
「逃げてない」
「俺には逃げているように見えるけどな」
私はぐっと文句を言いたいのを堪えた。
サタンは無言で問いかけている。
それで、良いのかと。
可愛くなりたいと本気で思って行動しなければ、何も変えられないのだと。
……無言で訴えていた。
ええい!!ままよ!!
「うるさい!!今から着るところなの!!」
私はそう言い捨てると更衣室に戻った。
お前達、覚悟しろよ!!
心の中でオシャレアイテム達に宣戦布告すると、観念して着ていたパーカーを脱ぎ出したのだった。