秘密の花園

「終わったの?」


まみちぃと唯香がどれどれと様子を見に寄ってくる。


どうせ、たいして変わってないわよ!!


笑いたければ笑うがいい!!


容姿に対する長年の諦めが、私をやさぐれた気持ちにさせる。


腕組みをしてそっぽを向いていると、唯香は感激したようにぎゅっと手を握ってきた。


「可愛い!!こんなお姉ちゃんが欲しかったの!!」


「へ?」


急にそう言われて面喰らってしまう。


だってこんなこと初めて言われた。


唯香だってオタクでズボラな姉ではなく、オシャレで可愛い姉が欲しいと思うのは当然のことで。


どうしようもない私を見捨てないでくれたのは、唯香が面倒見が良くて優しいからだ。


「良いじゃない。似合っているわよ」


髪を左右にバサンと揺らしながら、まみちぃも唯香と同じ賛辞の言葉を贈ってくれた。


「あんたは昔からやれば出来る子なのよ」


まみちぃは最後の仕上げと言って、テカテカしたリップを唇に塗ってくれた。


……私は何だか泣きたくなった。

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