秘密の花園

「それで、ナンパされたのに何で浮かない顔してんだよ?」


「だって、前までは空気のような存在だったのに……。ちょっと服装と髪型を変えて化粧しただけで、コロッと態度を変えられちゃったらもう何を信じてよいのやら……」


魔王様。私、人間不信に陥りそうです。


ううっと嘆きながら居酒屋のテーブルに突っ伏す。


サタンはそんな私に構わずビールを呷った。


「そいつは知らないからな。お前がどうしようもないオタクだってこと」


……それではまるでオタクだって知っていたら話しかけられないみたいじゃないか。


喧嘩売ってんのか?


まあ、買ったところで負けるのは間違いなく私だけれど。


「見た目ってそんなに重要なの……?」


「なんだよ。今更、気が付いたのか?」


サタンは店員に向かってビールのお代わりを頼んだ。


いじける私にサタンは言う。


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