秘密の花園
「見た目が重要というか……。見た目にその人の心が透けて見えるんだよ。こうありたい、こう見られたいっていう心の在り様がな」
「へー。深いのねー」
「お前、バカにしているだろう?」
「してませーん!!店員さん!!私もお代わりください!!」
私は元気よく片手を上げて、店員さんを呼んだ。
先日の反省を踏まえて、今日はビールではなくウーロン茶にしておく。
「ほら、よこせよ」
「あ」
サタンは私の手から切れ端を取り上げると、ビリビリに破いた。
灰皿の上に小さい紙ふぶきが出来上がる。
「次はまともな男に言い寄られろよ。お前が変態女だって知っても、お近づきになりたいっていう強者をな」
「そんな人がいると思ってんの?」
「いないな。間違いない」
サタンはテーブルに頬杖をついて、クックと押し殺すように笑った。