秘密の花園

マリサンカートは私の予想以上に大いに盛り上がった。


ゲームを実況してネット配信する人もいるようだから、一緒に画面を見ながら盛り上がれるっていうライブ感が受けたのかもしれない。


それとも、似たり寄ったりな自己PRで観客の皆さんも飽きていたというのが本音なのか。


勝負は私と小学生の一騎打ちになった。


ゴール寸前まで順位が入れ替わる、白熱した展開になった。


最終的にはコッペに甲羅をぶつけた隙にマリサンがゴールし、私が宣言通り一位となった。


「ありがとうございました!!」


私はステージに向かって頭を下げると、パタパタと舞台袖に走って行った。


ひゅーと観客席から口笛が鳴る。


ミスキャンの選考会でマリサンカートをやるなんてオシャレ星人にはドン引きされたが、オタク気質の理系男子にはまあまあ受け入れてもらえたようだ。


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