秘密の花園




ヤボったいとは失礼な。幻聴のくせに。


一応声が聞こえた路地の方を見ても誰もいなかった。


いや。


よくよく目を凝らすと何か小さな黒板のようなものがあった。


カフェなんかによくあるあれだ。


「もしかして…あそこ?」


看板まで歩いてくると、はっきりと店名が書いてあった。


ガラス扉の先には階段があり、ご丁寧にこちらからどうぞと丸い文字で張り紙がしてあった。


間違いない。どうやらこのビルの上にあるらしい。


地図が大雑把なせいでとんだ遠回りをしていたようだ。


よかった~!!やっと見つかった!!


ホッと一安心したその時だった。




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