秘密の花園




私なんかしたっけ?


そもそもなぜこんな事態に陥ったのか必死になって考える。


ああダメだ。頭の中がグルグルと螺旋を描いていて何も考えられない。


地の底にいるような暗い気分になっていると、サタンは呆れながら言った。


「あのなあ、普通の女は雑誌に載るなんて聞いたら喜ぶと思うんだが…」


「その辺の女と一緒にしないで…」


「そうだった。お前は初対面で鳩尾に一発食らわせてくるような規格外の女だったな」


先日の出来事を思い出して意識が遠くに飛んでゆく。


あの時、この人に正義の鉄槌を下さなければこんな目に遭わなかったのになあ…。


唯香に美容院に連れて行かれてから、私の人生はあの国民的人気のボードゲームもびっくりの怒涛の展開をみせている。


いきなり訪れた外界からの訪問者の対応に大慌てで、花園に入り浸る暇もない。




< 73 / 289 >

この作品をシェア

pagetop