秘密の花園
シミュレーション5

ピンクのもやもや





「また連絡する」


半ば強制的に携帯の番号とアドレスを書かされた後、ふたり揃って店を出る。


もはや私のヒットポイントはゼロである。


撃沈だーい…。


この数分ですっかり痩せたような気がする。


このままいっそ消えてしまいたい。


さすればこれから先、誌面で恥をかかないで済む。


そんな私の思考を読みとったかのように、サタンが口を開く。


「原田理香」


「はい?」


完全に油断しきっていた私は愚かにもサタンの真横にボーっと突っ立っていたのだ。


「逃げるなよ?」


ひぃっ!!


いきなり鋭い睨みをきかせながら、頭を鷲掴みにされる。


「返事は?」


この男と手が切れるまで果たして私は無事でいられるのだろうか。


「…わ…わかりました…」


逆らったら死が待っている。そんな気がした。



< 77 / 289 >

この作品をシェア

pagetop