秘密の花園
「お互い頑張ろうねー。佐田さんならきっと理香ちゃんをもっと魅力的にしてくれるよ!!」
そう言う水瀬さんの顔は本当に嬉しそうで、なんだか私は泣きたくなった。
こんな美のピラミッドの底辺にいるような女にさえ、水瀬さんは小さな勇気をくれる。頑張ろうって言ってくれる。
それに比べて私って…。
オタクだし。
化粧っ気無しだし。
どうしようもないくらい意気地なしだけど。
…この人にだけは失望されたくない。
胸の奥がカッと熱くなった。
「あの…!!」
ありったけの勇気を振り絞って言う。
「可愛くなった姿…見てもらえますか…?」
水瀬さんは笑顔でこう答えてくれた。
「もちろん!!楽しみにしてるよ」
その瞬間、私の心は決まったのだった。