ヒマリュウ-Ⅲ-

後ろから聞こえてくるその声は、まさに冬可。



そして伝わってくるのは、

"代われ"

ではなく、

"頑張れ"

…応援のようなもの。



『……ふふ』



人間のエネルギーの源が食事であるように、

あたしのエネルギーの源は"冬可"。


その人に応援されて、負ける訳にはいかない。



「ついに頭おかしくなったか？」


『ふふ、そうかもね？』



…あんたが余裕なら、あたしだって余裕で戦ってやる。



「…へぇ？少しは楽しめそうじゃん？」


『その言葉、そっくりそのままアンタに返してあげる』



あたしのこの発言で、空気が変わったのが分かった。


…ふ、あたしが負けるなんて、有りえないしね？


緋舞は返してもらわなくちゃ。