【短編】素直じゃない
はぁーとため息をついて外を見ると、智樹が歩いていた。
あれ?何で?
もしかして早退?
なんて考えていたら、屋上のドアが開いて名前を呼ばれた。
「直!あんた何してんの?」
「え?」
「…泣いてたの?もしかして、智樹から話聞いたの?」
話?
告白のこと?
「…悲しいよね。智樹が居なくなるなんて」
居なくなる?
「何それ!聞いてないあたし!」
「え?それで泣いてるんじゃないの?」
「違う!」
「え?じゃあ智樹が学校をやめるって…ちょ、直!?」
あたしは彩音の話の途中で、屋上をでた。
智樹が学校辞める?
そんなの聞いてない!
階段を急いで降りて、校庭に出る。
智樹はもう少しで校門を出るという所だった。
あたしは息を吸って、叫んだ。
「智樹ーーー!!!」