【短編】素直じゃない



ゆっくりと智樹が振り返る。


「直?」


「智樹、あたし…あたし……」


涙が邪魔してなかなか次の言葉が言えない。


あたし……


「智樹のこと、……大好き!」


い、言えた。


「直…」


智樹は走ってこっちにやってきた。


え、ちょ…


「直!今の本当?」


あたしの目の前まで来た智樹。


今の本当?って


そんなこときかないでよ。


「ほ、本当…」


あー絶対顔赤い!


もういや!


智樹から視線を外して俯く。


すると、智樹にぎゅっと抱きしめられた。


「ちょ、智樹!?//」


「直のバカ」


「バカって、」


「反則だよ、その顔」


え?反則?
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