妖魔04~聖域~
一人で出来ないのならば、仲間を集めればいい。

しかし、改革派に賛同する妖魔がいるだろうか。

秋野の他は保守派で塗り固められているからな。

人間に手を借りる?

「馬鹿な話だな」

今日一日をどう過ごすべきか。

今のところ、目的という目的はない。

破壊活動は止められているために出来ないし、行く当てがあるわけでもない。

「ようよう、兄ちゃんよお、婚活中の私と結婚しねえ?今ならタダで嫁に行ってやるぞ」

ろくでもない女が湧いて出てきたようだ。

「お前は独身でいいだろう」

「何を言う!お前との結婚しか、私には道がない!お前は私の夢を踏み潰すつもりか!」

燕の目は真剣ではあるが、俺の股間を見ている。

「いつまでも下らない事に付き合わせるんじゃねえ!」

ロメロスペシャルでリンチし、口を塞ぐ。

「はあ、はあ、くそ、面倒くせえ」

「ちなみに、子供は十一人産んでやるから期待しておけ」

「二度と復活してくるんじゃねえ!」

ドロップキックで顔面を蹴るが、すぐに起き上がってくる。

「ふふ、仲がいいわね」

前から歩いてきたのは秋野だった。

先ほどと変わらないような、感情のないニオイがある。

横を通り過ぎるかと思いきや、俺の前で止まった。

「言い忘れてたけど、待機中は学園の授業を受けてもらうわ」

「はあ?」

何で面倒な事をしなくちゃならないのか。

「闘うためには敵のことはよく知らないといけないわ。ね?夢島さん」

「眼鏡をかけてれば、こいつを誘惑できると思うなよ」

懐から壊れかけのサングラスをかける。

俺が技をかけたから、壊れかけているのだろう。
< 189 / 330 >

この作品をシェア

pagetop