妖魔04~聖域~
「あらあら、ごめんなさい」

萌黄さんは歳を取っても、相変わらず綺麗なままだった。

「ちょっと待ちなさい」

俺がボールを返して下がろうとした時、子鉄の声がかかる。

「何?」

振り返ってみると、子鉄が傍に立っている。

「昨日、千鶴の家に行ったわね?」

瑠璃子から情報が出回ったのか。

身なりから参照したのかもしれない。

学校で出会った時に俺の姿を見られたのは不味かったか。

「人違いだよ」

「ふうん、でも、アンタは人じゃない。妖魔よね?」

退魔師は妖魔の気配がわかる。

どんどんと厄介な方向へ向っている。

「妖魔だからって、俺が葉桜の家に行ったっていうのは」

言っている途中で、自分が不味い事を言ったのに気がついた。

「葉桜、ね」

子鉄は千鶴とは言ったが葉桜とは言ってない。

逃げようもない間違いを犯した。

「ねえ、アンタ、何者?」

「アチシの下僕アル」

立ち上がった吟が隣から、答えを出した。

恋人といって欲しかったところだ。

「答えはアンタに聞いてるんじゃないわ。この人に聞いているの」

「チッチッチ、詮索が過ぎると、ムードが台無しアルよ」
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