妖魔04~聖域~
ブレーンバスターで背中から落として、気絶させるほどのダメージを与える。

本来なら病院通いでもいいはずだが、いつも元気だ。

何だろうな。

過去に燕と一緒に川原で遊んでた記憶がある。

チビだったので、石を投げたり無邪気に遊んでいた。

当時、西地区の川は少し荒れていたような気がする。

燕が思いついたのは内緒で危険な遊びをしようとの事。

どこに行っても川の流れが少し強い。

「よし、魚捕まえて夜食にしよう」

制止も聞かずに魚を捕まえようとして川へ潜ったんだ。

でも、川の流れが速いので滝壷に落ちていった。

俺は下に降りて必死に探した。

燕はどこにも見つからない。

燕がいなくなることが怖くて、親に怒られることも怖いと感じた。

探したけど見つからない。

でも、諦めたくはなかった。

日が暮れかけようとしても探し続けた。

努力の末に見つかったが、心配をよそに岩場で魚を焼いて食べていた。

魚を食べている事や子供一人で火を焚いてる事はどうでも良かった。

生きていることが信じられなかった。

でも、目の前には燕が存在している。

「今まで探していたのか。そうか。お前優しいな」

その後、今でも使い続けてる台詞を使い始めた。

「私はそんなお前が好きだぞ」

強欲な燕だったが、食べかけの魚をこちらへと寄越した。
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