妖魔04~聖域~
「お前はSMプレイが趣味か。今夜あたり蝋燭プレイをしよう。お前が蝋燭をかけられるほうだぞ」

平然としているところ、鉄槌は余裕か。

「無駄口を叩いてないで行くぞ」

南京錠の鍵は俺の手の中にあるので、鍵を外す場合は俺に頼まなければならない。

外せという訴えもなく必死についてくるところ、バカとしか言えない。

解っていたことだが、昔から燕は後ろをついてくる。

今も、変わることなく続いている。

夢島燕は昔から能天気だった。

変なことを言い、俺を困らせてきた。

以上。

「おい、お前、私を何だと思っている」

「鉄槌を持つ下僕だろ」

「私は、悲しいぞ。お前が、お前が」

「悪かったな」

明らかに泣き真似だと解っているので、棒読みで謝っておく。

「お前が中途半端なSだっていうことが非常に悲しい!」

「黙れ!」

燕の片足を持ってドラゴンスクリューで足を捻って痛める。

誰もが呆れるくらい、昔からアホだった。

何で変に成長してしまったのかは解らない。

家庭環境も悪くないはずなのに、どこでどう間違ったのか。

両親は常識を持っており、俺にも良くしてくれる。

逆にそれが悪影響だったのか。

個性的にしても、独創しすぎてイメージを壊している。

見てくれはそう悪くはないはずなんだが、性格に難がある。

合う人物がいるのかと疑いたくなる。

「いないな」

「そんなお前を昔から好きだぞ」

「余計な台詞で文字数を稼ぐな!」
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