◇◆あじさい◆◇
そうしてまた、それまでの学校生活を取り戻していった。


私は毎日、母の写真に話しかけた。これまで、まともに話せなかった時間を埋める様に。その日あった出来事や、ちょっとした悩みなど、話す内容はなんでもよかった。母は、きっと聞いてくれていると信じてた。返事が返ってこない写真に、時間を忘れて語り掛ける事もあった。


父は、そんな私を知っていながら、気付かない振りをしてくれていたのだと思う。
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