◇◆あじさい◆◇
『まぁ〜まぁ〜まぁ!
今度、ガキ見に行くよ。』

私は、久しぶりに見る彼の笑顔に、目が離せなかった。



『…お前、何で式に出なかった?』


和也が問い掛けた。



『あぁ、最初めんどくせぇって思ってたけど…。
カオルちゃんがさっ、ハタチの祝いに皆店連れてこいってうるせぇから…。』



『ふっっ。
お前らしい答えだなっ。』

裕介は鼻で笑いながら、とっつぁんにビールをついだ。



『会いたがってるよ…。

ずっと…。お前らに。』



とっつぁんは、とっつぁんママの事を言ったのだろうけど、私には、とっつぁんの想いを被らせた様に思えた。



『とっつぁん…。


会いたかったよ。


ずっと…。


私達皆、とっつぁんとまた、こうして話せる日…。



待ってたんだよ…?』




これが、私が4年ぶりに彼と交わした久々の言葉。




『…おぅ。


ちょっと感動〜。



お前、なんか急に大人びた事言うよ〜なったなぁ!!

コノヤロッ!!』



とっつぁんは、照れ隠しだったのか、手を伸ばすと、昔の様に私の髪をクシャクシャに撫でた。



『やだぁっ!やめてよぉ!
もぉ〜!とっつぁんは何も変わってないんだからっ!』
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