◇◆あじさい◆◇
『…風花…?』


『…えっ?』



眠ったはずの裕介が、うっすら目を開け私を見つめた。



『…今、何考えてたの?』


裕介の問い掛けに、私は少し動揺した。



『…別に…。何も…っ』



一瞬だった。




裕介が私のクチを塞ぐ様にキスをした。




ゆっくり顔を離した裕介は、とても悲しそうな表情でそっと笑うと、再び眠りについた。





きっと酔ってるんだと思いながらも、最後の悲しい笑みが目に焼き付いていた。
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