◇◆あじさい◆◇
〜絶望の涙〜
あの事故から、

私は毎日病院へと通った。

何もできないけれど、
ただ、とっつぁんの傍を離れている時間が耐えられなかった。


会社でも些細なミスが目立ち、仕事が終わるとすぐに病院へ向かい、心ここにあらずの状態でいる私を、父は何も言わず見守ってくれていた。



やっと、個室に移されたとっつぁんは、事故にあった前後の記憶は薄いものの、会話を交わすまでに回復していった。



でも、

未だ、彼が一生車椅子生活になるという事実だけは、とっつぁんママも、私も打ち明けられずにいた…。
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