◇◆あじさい◆◇
私に、なんだか分からない緊張が走った…。







『…アイツを…、

幸せにしてやってくれねぇ〜か?』




『…なに言ってんだよ?

お前っ…。』





『…もう、動かねぇんだと。…俺の足…。



せっかくさぁ〜、

欲しいもん我慢して、一生懸命働いて…、もうちょっとだったんだよ。


金貯めて、アイツぜってぇ幸せにしてやんだぁ〜って…。



でも…、

もう、


アイツと、

一緒に歩く事も、

アイツの手ぇ取って、

走る事もできねぇ…。




…これじゃ

アイツ守れねぇんだ…。』




とっつぁんの声は、



震えていた…。
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