【短編】プロポーズはバスタブで。
 
乳房もお尻も肌のハリも、この前孝明に会ったときとは全然違う。

お肌の曲がり角を過ぎると体もそうなってくるのは仕方がないことだけど・・・・でも、心もカラダも寂しいのは正直なところツラい。


「はぁぁぁ〜」


思わず重いため息が出た。

早く孝明に会ってむさぼるように愛されたい、そして浮気を疑ったあたしを叱ってほしい・・・・。



―――
―――――
―――――――



週明け、月曜日。

結局、土曜日だけでなく日曜日も棒に振ったあたしは、いつもより重い足取りで会社に向かった。

月曜日はたいてい憂うつな気分だけど、それだけじゃない。


「で、浮気の証拠はつかめた?」


眠気を覚ますために熱いコーヒーを淹れに給湯室に行くと、花瓶の水を取り替えていた沙織にばったりと出くわしてしまって。

そう、ニヤニヤ顔で聞かれた。


「だからさ、孝明は浮気なんてするような人じゃないの。いらないコト吹き込まないでよ」

「へぇ〜。じゃあ、なんでそんな暗い顔してんだろうね? 気にしてないって顔じゃないよ」
 

< 9 / 42 >

この作品をシェア

pagetop