PRINCESS story
琴葉を奪われたくない。
俺は強くそう思った。
と同時に、琴葉という存在が俺から離れていってしまう不安感に襲われた。
琴葉、行かないでくれ。
俺を、一人にしないでくれ。
こんな感情は初めてだった。
こんなにも自分の中で琴葉の存在が大きくなっていることに、俺は今日まで気が付かなかった。
どうして、もっと早く気付かなかったんだろうか?
自分にとてつもなく苛立ちを覚える。
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