PRINCESS story
一階に降りて行くと、スーツを着た男の人が目に入った。
全く見覚えのない人ばかり、5人。
…誰だろう?
その中で一番年上であろう老紳士が1人、ソファーに腰を下ろしている。
そして、その前には、私の父、三上 浩一が何やら神妙な面持ちで座っている。
一見頼りなさそうに見える父。
でも、父は三上財閥を一代で築き上げ、3年前に母が亡くなってからは、兄と私を男手一つでここまで育ててくれた。
どんな時も父としての威厳を失わない、尊敬できる父。
そんな何事にもあまり動じない父が神妙な面持ちで座っている。
何だか、嫌な予感がした。