PRINCESS story
「婚礼の儀は、これにて終了とする。
しかし、王子妃は分からないことも多いであろう。
まずは親族の紹介をしなければならないかな」
「…ありがとうございます」
「まずは、私から。私のことは知っていると思うが、紀彦だ。
そして私の妻の由貴子、こっちにいるのは奏斗の姉の雅」
雅さんのことは、雅お姉様、と呼ぶべきなのだろうか?
そんな些細な疑問が頭をよぎる。
「そして私の弟、紀之と紀之の妻である志保さん、こっちは2人のご子息の和也君。
和也君と雅は同い年だよ」
いっぺんにたくさんのことを言われすぎて、よく分からなくなってきた。
私だけは、昨日まで赤の他人なんだったんだよね…
なんだか、孤独だな、と思ってしまう。