PRINCESS story

「琴葉姫」

突然志保さんに名前を呼ばれた。


「一般庶民なのに、突然王室に入ることになって不安でしょうけど、何かあれば気軽に相談してくださいね」


「はい……ありがとうございます」



志保さんは笑顔でそう言ってくれたが、私にはなぜか志保さんが心から笑っていないような気がしてならなかった。


それに、“一般庶民なのに”というこの一言に嫌味のようなものが込められている気がして、何となく引っ掛かったのだ。



急に私は少し不安になった。

でもまさか、嫌味な訳ない…


私は自分にそう言い聞かせ笑顔を作った。





この時感じた漠然とした不安が正しかったことを私が知るのは、もう少し後のこと…


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